03.かつお節の作り方(解凍)・・・続き

前月の解凍の続きです。
鰹節屋さんCの場合

鰹の入った大きなカンを、鰹が少し解けるまで自然解凍しておき、程よいところを見計らって水を入れます。時間とともに、木の棒などをカンの中に突っ込み、水を循環させたり魚を少し動かします。血水になってきますので、カンの下にある栓から水を抜いて、再度水を入れます。解凍するまで数回繰り返します。

(なお鰹の解凍時に塩抜きも行っています。鰹は遠洋で獲れる際に、船の中でブライン液と呼ばれる塩水に漬けられて凍ります。この塩分を抜く作業も解凍時に同時におこなっているのです。これが原因か解りませんが、鰹節の中には塩の味が強く感じる物もあります。)

解凍終了の判断は、水温管理もしながら経験で判断します。 よりこだわる方は自分達の体感覚を基にじっくりと解凍する鰹節屋さんもいれば、業務用として基準時間を決めてから、経験値によって時間調整をしていく鰹節屋さんもいらっしゃいます。

ちなみにスーパーなどの冊で冷凍鰹を買って、家庭用でお刺身にして食べたい時は、一度表面を水で洗い切粉を落とし、ペーパータオルで拭いて常温で少し置いておきます。表面が少し解けたらもう一度洗い、ペーパータオルで拭いて常温で解凍してください。私は行った事がないのですが、レンジで解凍をすると「ハリ」が無くなるそうです。

解凍で気をつけなければいけない事は、解凍した後の次工程で鰹を切る「生切(なまきり)」までの時間の長さです。魚の魚質によっては、解凍後に少しでも放置しておきますと、鰹の鮮度がすぐに落ち、魚がヘタリます。お腹にピチピチしたハリが無くなってしまうのです。

この状態で鰹を切りますと、自動カッターで鰹の頭を切る際、定めた所にカッター刃が納まらずに、斜めに切る場面が発生したり、鮮度の落ちた鰹で鰹節を作りますと、後の工程で出てきます、「骨取り(ほねとり)」で非常に苦労します。

「骨取りは」焼津では『水骨』と呼ばれ、水の中で煮た鰹から骨をとります。ハリがありますと手の平で持っても落ちませんが、ハリの無い魚ですと、赤子を抱くような感じで優しく身を持ちながら作業をしても、ボロボロと身が落ちてしまい、歩留まりが悪くなりますし、綺麗な形になりません。 次回は、鰹節の形を決める「生切」工程です。