05.検査業務について (黄色ブドウ球菌)

検査室では、製造工程ラインと、製造に携わる人の手が衛生的であることを確認するために、拭き取り検査をしています。検査内容は一般性菌数と大腸菌と黄色ブドウ球菌を調べています。

黄色ブドウ球菌

黄色ブドウ球菌(おうしょくブドウきゅうきん)とは、ヒトやどうぶつの皮膚、消化管(腸)常在菌(腸内細菌)であるブドウ球菌の一つです。代表的なグラム陽性の球菌で黄色のコロニーをつくり、顕微鏡(けんびきょう)で観察すると、ぶどうの房のように複数の細菌が集団を形成していることからそのように呼ばれます。

ヒトの化膿(かのう)した傷、皮膚、おでき、ニキビ、喉や鼻の中、湿疹、水虫、動物の皮膚などに常在する菌で、ヒトの生活環境に広く分布しています。乾燥に強く空気中はもとより食品の表面でも存在します。耐塩性(たいえんせい)があり、塩による抑制が弱く、10-20%の塩にも耐えます。

また、酸性やアルカリ性が強いところでも増殖することが出来ます。環境の変化に強い性質をもっていて、どこにでもいるが、敵に回すとなかなか手強い菌といえます。

黄色ブドウ球菌はヒトの皮膚傷口から侵入して化膿性疾患(かのうせいしっかん)とびひ、おでき、ほうそう原因となります。

化膿性疾患以外に毒素型食中毒や毒素性ショック症候群などがあります。

毒素型食中毒や毒素性ショック症候群

黄色ブドウ球菌が食中毒をおこすのは、汚染された食品の中で毒素をつくるときだけです 。エンテロトキシンという毒素を産生します。

食べてから、潜伏時間およそ30分から6時間、吐き気や激しい嘔吐(おうと)がおこります。腹痛や下痢も伴いますが、38℃以上の高熱になることはあまりありません。ほとんどが24時間以内に回復しますが、脱水症状になると点滴などが必要になります。

黄色ブドウ菌自体は熱に対して弱く十分に加熱調理すれは死滅しますが、エンテロトキシンは耐熱性(たいねつせい)で、100℃ 30分の加熱でも分解されません。

しかし5℃以下ではほとんど増殖できないことから、この菌をつけないのはもちろんのこと、低温保管の徹底、低温での保管が出来ない食品は喫食までの時間をできるだけ短くすることで、防ぐことができます。

黄色ブドウ球菌は手指を介して食品を汚染する可能性が高いので、手洗いを十分にすることが重要になります。

参考資料:食品衛生検査指針・食品衛生工学の広場