01.お勧めの1冊

幕末遊撃隊
池波 正太郎 著    集英社文庫

私は歴史小説が好きです。

特に江戸幕末から明治維新にかけての歴史書を好んで読みます。「たまには推理小説でも読んでみようか」と思い、本屋へ行って見るのですが、買ってしまうのは必ず歴史小説です。今回紹介する本も上記のような経緯で購入した本です。

この本の主人公は伊庭八郎という人物です。
彼の家は、代々引き継がれてきた「心形刀流」の道場で、江戸では剣家として有名でしたが、伊庭八郎が本気で竹刀を握ったのは16歳になってからでした。

それまでの彼は本ばかり読んでいて、竹刀の音を聞くのも嫌だった様ですが、幕末の激動期の中で学問と剣術を秤に掛け、より重い方を選んだまでのことだと言っています。

しかし彼の腕前は不羈の才とまで言われる様な評判をもっていました。幕府の崩壊が近くなり、彼は遊撃隊を組織し京都・江戸・箱根へと転戦を続けていましたが、戦の最中に左腕の肘から下を切り落とされてしまいました。

しかし、彼は戦を放棄する事無く北海道函館五稜郭まで、転戦を続けます。

左腕を失った彼は、戦意を喪失する事無くなぜ戦い続けたのか、彼の心を揺さぶっていたものとは何だったのか。
歴史が好きな方には、ぜひ読んで頂きたい本です。

伊庭八郎は幕末期の人物として、あまり知られていない様ですが、彼の様な生き方を知るたびに、また私は歴史書を買ってしまうのかもしれません。