01.お勧めの1冊

こんにちは、今月よりこちらを担当します渡辺と申します。よろしくお願いします。
まずは前任者を引継ぎ、歴史小説から。

表題の御三家とは、徳川家康が、将軍家の血筋が途絶えたときにはこれらの家から将軍を出すようにと設立した家で、藩祖は尾張家が家康の9男義直、紀伊家が10男頼宣、水戸家が11男頼房です。

ちなみに御三家から初めて将軍になったのは紀伊家出身の8代将軍吉宗です。水戸黄門で有名な光圀は水戸家2代藩主です。

さて、将軍家と御三家の関係は2代将軍秀忠の時代は良好でした。家康の3男である秀忠からみると御三家の藩祖は年の離れた弟たちで、彼らをとてもかわいがりました。しかし、秀忠の息子3代将軍家光の時代になると、甥と叔父の関係になります。

しかも、戦国時代を経験していない家光は「生まれながらの将軍」という意識が強く、幕府権力強化のために大名はおろか、御三家までも家臣化を推し進めました。

一方御三家側にも、将軍は家康の孫だが、自分達は家康の息子だというプライドがあります。両者の間に軋轢があったのは歴史上事実だったようです。

そんな時代を背景に、この小説は尾張家を主役として将軍家光とその剣術指南役柳生一門を敵役として描いた時代劇です。

クライマックスは尾張、紀伊、水戸家が共に謀反を起こし江戸城に迫るというシーンです。これはもちろんフィクションですが、豊臣恩顧の外様大名ではなく、身内である御三家が謀反を起こすという視点は興味深いものがありました。