08.山彦日記  9月1日

9月になったとはいえ日中の暑さはキビシイ。真夏とそう変わらない陽気であるが、夕暮れが早くなってきているのでこころなしか夜の気温は涼しい。山彦の住む田舎ではこの時期 9月上旬に祭りがあるのだ。

やっほー! 「夏」祭りではないが、収穫に感謝する秋祭りにはちょっと早いこのお祭りは村が一年で一番はなやぐ日である。

村の角々には幟(のぼり)が掲げられ祭り気分を盛り上げる。この幟は各地区で祭りの当日早朝にあげるの習わしであるでこれが一仕事なのだ。

山彦の地区の幟竿は特に長く測ったことがないけれど、15mはあるであろうか。竿とよんでいるが見たところ樫か何かの木の皮を剥ぎ、削り加工した1本の木で、古くから伝わるものらしい。

以前は村人の知恵と人力で器用にあげていたが、最近は機械(ユニック)を使って竿を立てている。かつての若者も年月にはさからえず、悲しいかな村には高齢化が確実にすすんでおり「万が一ケガでもしたら困るよ」ということで、近所の植木屋さんのユニック登場となった。

山彦は非力で戦力にならないから大きな声では言えないが、ちょっとやるせない気持ち。みんなで力を合わせて立てるという行為が尊いのだけれど現実はキビシイ

実家を離れている人もこの日は帰ってくる人が多く、親戚やら何やらで山彦の家も賑やかになる。ビールやごちそうの準備、親戚の子供もたくさん集まって騒々しいものだったが、今はお客様も高齢化。こちらもキビシイ

田んぼの稲もしだいに実が入ってきた風情である。「実るほど首を垂れる稲穂かな」作者不詳 山彦が好きな歌のひとつである。