01.お勧めの1冊

≪僕たちの戦争   荻原 浩著≫
双葉文庫

久しぶりにタイムトラベルものから。プラス人格の入替わりものです。

本書の設定は平成のチャラ男尾島健太と昭和19年の特攻隊要員石庭吾一が入替わるというものです。

2人の内どちらが悲惨かといえば、これはもう当然健太の方ですが、印象に残ったのはむしろ、死が身近な戦時中から平和な平成に来た吾一の反応でした。

日本人の髪がなぜ金色?「イケテル」ってどこに行けるのだ?道に落とした空瓶を拾ってやったのになぜまたすぐに落とす?わざと捨てている事に気付いた吾一はいつから日本はこんな国になったと呆然とします。

平成に迷い込んだ吾一がケータイの着信音に挙動不審になる姿、戦時中に迷い込んだ健太がもんぺ姿の女性を見て「ドッキリ」だと思い込む姿、特に序盤はコミカルです。

しかし吾一の反応を読むにつけ、現代日本は私達の祖父母が命を盾にして守ろうとした国の姿なのだろうかと考えてしまいました。