06.エキスについて

HVP、HAP
アミノ酸混合物として比較的安価に利用できるものに、前回述べた酵母エキスと共にHVP、HAPがあります。

HVPはhydrolyzed vegetable proteinの略で、植物性タンパク質の加水分解物になります。また、HAPはhydrolyzed animal proteinの略で、動物性タンパク質の加水分解物になります。

酵母エキスは1889年に酵母の自己消化現象が発見されて以来、広く欧米において調味ベースとして使用されてきました。これに対して、HVPやHAP、特にHAPは1990年代半ばになって台頭してきたものとなります。

HVP、HAPの種類

HVPの製造方法は、ふつう脱脂大豆などのタンパク質を塩酸で加水分解してアミノ酸とした後、酸性不溶物質(ヒューマス)をろ過した後、水酸化ナトリウムで中和します。

この分解液は必要に応じて脱臭、脱色などの工程を経てHVP原液となります。この原液は成分の調整をしてHVP液となりますが、これは主として醤油の原料となるアミノ酸液となります。

そのほかHVPにはHVP原液を減圧濃縮したHVPペースト、減圧濃縮後、顆粒化したHVP顆粒、原液を噴霧乾燥したHVP粉末の各種製品がありますが、ペースト状または粉末状製品がほとんどとなります。

これらの各種製品には、それぞれ特有の性質を持っています。HVPの液状製品は主に醤油の原料になっていて、ペースト製品は保存時には粘度が高く固くても、加温すると粘度が低くなって柔らかくなります。

攪拌しても柔らかくなって、しばらく放置すると再び固くなるという可逆的な性質を持っているので、製品が固くなる冬季でも加温・攪拌することによって使用が容易になります。また褐変化は液状製品よりもはるかに少なくなります。

粉末製品はその吸湿性に特徴があります。製品中の水分が6~7%になると粉末状でなくなって固まってきてしまいます。また飛散性も大きく、吸湿性、飛散性の防止のために粒度を大きくしたり、顆粒化して防湿剤でコーティングするなどの方法もとられています。

HVPペースト製品および粉末製品を比べると食塩(NaCl)含量に著しい差(粉末製品の方が食塩含有量が大きい)があります。

HVPはグルタミン酸が多いためうま味が強く、HAPはグルタミン酸のほかにプロリン、グリシン、アラニンなど甘味を持つアミノ酸を多量に含有するので、甘味が強いのが特徴となっています。

参考資料 だし・エキスの知識より