06.食品調味について

食品の味とは

私たちはよく、この料理は「味が良い」とか「味が悪い」などと“味”という言葉をよく口にします。私たちは食物や飲物を、これは良いとか好きだとか言いますが、飲食物の評価や好き嫌いの判定はもちろん、味付けだけでなく、固いとか柔らかいとか、色が良いとか悪いとか、以前に食べて美味しかったという記憶があるとか、高価であったとか、極めて複雑な要素を含んでいます。

食品のもつ多くの感覚的な要素を取り上げてみると次のようなものがあります。視覚によるもの(かたち、色、きめ、つや)触覚によるもの(硬さ、なめらかさ、粘性、弾性、脆さ、歯切れ)皮膚で感じるもの(温冷感、渋み、刺激性)嗅覚によるもの(薬味、花の香り、果実のにおい、腐臭など)味覚によるもの(基本的な数種類の香り)。

以上のように、味には食品の持つ多くの感覚的な要素が含まれていて、食品は上記のどの感覚的要素についても満足されるものでなければ優良であるとはいえません。

また、食品を味わう側の健康状態や空腹感などの生理的な条件も関与してきます。例えば、空腹時には何を食べても美味しいと思いますし、歯痛のときにはかたいせんべいなどは見ただけでもいやになります。

食品の味は先ほど示した人間の感覚以外に、次のような要因にも左右される極めてデリケートなものなのです。社会的環境(食習慣、嗜好、宗教)自然的環境(天候、昼夜)心理状態(緊張度、感情(喜怒哀楽))生理状態(空腹度、消火器疾病、頭歯痛など)。

以上のように食品の味には極めて多くのことが関連しています。

子供の頃食べたことがあるとか、郷土の名産であるなどの個人的なことも含めて、個人の嗜好、飲食する環境などの心理的に味を左右するもの、あるいは空腹感、喝感、健康状態などの身体条件に関する生理的な問題なども食品の味の要素として重要ですが、食品を調理あるいは加工する立場ならば、温度、硬い柔い、粘り、舌ざわりなど、口の中で受ける物理的な刺激(物理的な味)と、甘味、酸味、塩味など水に溶けた物質が味覚神経を刺激する化学的な味について主として考える必要があります。

私たちが舌だけで感じる味覚は狭義の味なのです。ですので、これからお話ししていく味は味覚の問題、すなわち化学的な味の問題を主とすることにして、それを食品の調味との関連において考察していくこととなります。

参考資料;食品調味の知識より