08.山彦日記  2月1日 お風呂

毎日寒い日が続いている。そんな時に「お風呂」は最高である。冷えた体を熱い湯に浸すと体の緊張がとけ手指まで伸びるような心地がする。

山彦の田舎家のおふろの歴史を考えてみた。

山彦の記録にある一番古いおふろは木の桶だったように思う。桶に高さがあり、台に乗ってまたいで入った。かなりおぼろげな記憶であやふやなところもあるが、底が深いので一人では立って入れなかった幼いころの話である。

次はタイル張りのおふろだ。湯船も洗い場もすべていろいろな色や形のタイルを使っていてそれらの模様や色形を眺めながら「これは魔女の顔だ、あれはお家、それはライオンみたい」なあんて頬をバラ色に染めながら空想したものである。今思えばなんと無邪気な時代だったか。

その湯船もいつのまにかステンレスに代わった。青黒光りしている金属の輝きに清潔感はあるが無機質でどこかよそよそしく永遠に変わらない強さをかんじた。

さびないステンレスの湯船は事情があって代替わりし、2代目のステンレス風呂から熱源がガスに変わった。そう それ以前は薪(タキギ)つまり木を燃やしてお風呂を沸かしていたのだ。

子供山彦がかお風呂に入るとおばあちゃんかお母さんが「湯加減はどう?」と窓越しに聞いてくれて、その話がでると山彦はなつかしいが、ガスしか知らない愚息などは「まるでキャンプみたい」と笑う。その後もう一回変わってたぶん今に至る。

何にでも次々と新機能が付加されてお金さえあれば便利に快適に暮らせる現代であるが、愚息よ、不自由さをも楽しめる器量と余裕はいつも忘れないようにしたいものである。