01.お勧めの1冊

≪賤ヶ岳七本槍 ≫ 嶋津義忠  PHP文芸文庫

賤ヶ岳の合戦は豊臣秀吉がまだ羽柴秀吉と名乗っていた時代に織田信長亡き後、後継者争いの最大のライバルだった柴田勝家を破った戦いです。

その重要な合戦で特に活躍した7人が七本槍と讃えられているので、秀吉が天下人になった暁にはさぞ出世したかといえばそうでもなく、有名なのは加藤清正と福島正則くらいだと思います。

7人のその後が各々書かれていますが、戦場での槍働きと大名として出世していく才覚は違うものだと感じました。

ところで、豊臣家に大恩がある福島正則が秀吉の死後、関ヶ原の戦いで東軍(徳川方)についたには豊臣を見限ったからではなく、石田三成が憎かったからです。

しかし関ヶ原で勝った徳川家の力があまりにも強大になり、気付いた時には自分には徳川が豊臣を滅ぼすことを防ぐ力は無く、主家の滅亡を傍観するしかなかった忸怩たる思いの描写は本書にはなく、少々マニアックですがそのへんに触れている作品も捜してみたいです。