03.日本海外まき網船の取り巻く環境

今月は、海外まき網漁の日本を取りまく厳しい環境について、お話します。

海外まき網漁業の操業海域は、概ね北緯二十度以南となっています。オーストラリア大陸の東部から北部にかけての位置になります。

この海域は公海の占める割合が少なく、パプアニューギニア、キリバス共和国、ソロモン共和国等の島與国に囲まれ、台湾、韓国、米国、欧州等の各国のまき網船が入り乱れて操業しています。したがいまして現在の海外まき網漁業は、いずれかの島與国の200カイリ水域に入らなければ操業できない状況にあります。

島與国の経済水域内の漁場に依存する海外まき網漁業ですが、自国の経済的利益を考える島與国は、入漁料の支払以外にも、自国の港湾内での外国船の積荷の転載や陸揚げを推進する事によって、港湾使用料の獲得や、雇用の拡大を図っていて、年々その要求が強まってきております。

入漁料は、以前は漁獲量に市場価格を乗じた漁獲金額の一定割合(概ね5%)を支払う方法で、出来高払いでした。

ところが、2012年から隻日数を1日単位で販売する方式に転換しました。1隻毎に年間で島與国の水域に入る日数を事前購入するという方法です。

必要見込み日数を事前購入するのにくわえ、使い残した日数を他の国の水域で原則使用出来ない為、余裕をみて購入することとなり、結果として未使用の日数を残す事態が生じています。

以前の出来高払いとは異なり、漁獲量がゼロでも漁を行っていれば隻日数にカウントされます。
しかも1隻当りの1日の入漁料は、最低価格を5,000USドルとされていて極めて高額であります。

隻日数を購入する方式以前の入漁料相場が1隻当り年間約5,000万円に比べ、隻日数の購入方式になり約8,000万円と1.6倍の大幅な上昇になっています。

島與国はさらなる入漁料単価の値上を要求し、今年に入り最低価格を6,000USドルに引き上げる決定が行われました。
この様な関係各国の思惑も、海外まき網漁におけるカツオの価格を引き上げる要因になっています。

参考資料:水産振興