06.食品調味について

うま味
うまいというのは味が良いということで美味いとか旨いという字が使われています。甘、酸、鹹、苦は東西に共通して4原味といわれていました。

しかし、肉類、あるいはコンブやかつおぶしのだし汁には独特のうま味があって、このうま味は上記の4原味のどれにも属さないし、4原味を種々に配合してもこのうま味にはならないので、4原味のほかに、このうま味を加えて、5味と呼んでいます。

うま味について
このグルタミン酸などのうま味を独自の味として認めるかどうか、第5の基本味とみてよいかどうかには疑問を持つ人がないでもありません。

とくに欧米の学者にはグルタミン酸ナトリウムの効果をflavor enhancer(風味強調物質)と考えて、独自の味でないという人が少なくありません。しかし、フレーバーの定義やうま味の定義も人によってかなりの開きがあって、元来、うま味に相当する適当な英語がないのです。

うま味物質
うま味物質にはグルタミン酸、イノシン酸などをはじめとする各種の物質が知られています。

グルタミン酸
当時の東京帝国大学理学部の池田菊苗教授は、湯豆腐などに使うコンブのだしがうまいことに着目し、だしコンブ37.5Kgから30gのグルタミン酸を分離して、そのナトリウム塩が非常にま味をもっていることを発見して、このグルタミン酸ナトリウムを調味料として用いることについて1908年(明治41年)に特許を得ました。

グルタミン酸はもともとドイツ人Ritthausenによって1866年、小麦のグルテンから分離されたアミノ酸で、その後、1869年に、この味についてFischerが、まずくて弱い酸味を呈すると述べていて、そのうま味には気が付かなかったようです。

池田教授の特許を工業化したのが、鈴木三郎助、忠治の兄弟で、グルタミン酸ナトリウムを味の素の名で生産、販売したのは1909年(明治42年)でした。

グルタミン酸ナトリウムはmonosodium glutamate、略してMSGと書かれる場合があります。グルタミン酸にはD-体とL-体とがあって、天然のものはL-体で、D-体のものは味がありません。L-グルタミン酸ナトリウムの閾値は0.03%で、これを砂糖(0.5%)および食塩(0.2%)と比較すると、非常にのびの良い呈味物質であることが分かると思います。

参考資料;食品調味の知識より