03.海外まき網漁における日本漁船の状況

今月は、日本の海外まき網船の経営状況をお話させて頂きます。

主に海外まき網漁は、インド洋水域の概ね北緯20度以北で操業されています。 諸外国のまき網漁船は、漁場に滞在し続け、漁獲物を運搬船に転載して、主としてバンコク市場に供給する形態をとっているのに比べ、我が国の場合は、満船するごとに日本へ帰国し水揚げを行っています。

燃料が高い水準である上に、往復航海に燃料を消費する事等から、年間一隻あたり2500~3000キロリットルもの燃料を消費し、2億円前後の費用になっています。この金額は経費の25~30%を占めるのではないかとみられ、高コスト操業となっています。

加えて以前お話した島国與国に支払う高額な入漁料が、経営を圧迫しています。さらに現在では急激な円安がこれらに輪をかけています。

このため、この様な傾向がさらに強まれば、日本の海外まき網漁業においても経費の削減につながり、また島與国からの要請も強い諸外国の港への運搬船転載方式が増加していくのでは無いかと考えられています。

※運搬船転載方式とは、積荷を海の上で船から船へと移し替えをする事です。

また、まき網漁船の場合は、外国人オブザーバーの100%乗船が実施されており、この経費も漁船側の負担になっています。その額は一隻あたり年間300万円になります。

※オブザーバーとは漁業活動が資源や生態系に及ぼす影響を詳細に把握する事を目的として、科学的資料を収集を行いま す。その内容は観察調査、漁獲調査、漁獲生物測定調査と各種記録作成になります。

以上の事から海外まき網漁をめぐる経営環境は厳しさを増しており、更にこれが強まる傾向にあります。

参考資料:水産振興