06.だしのプロがこっそり教える、おいしいだしの取り方

食品調味について

うま味
前回に引き続き、イノシン酸について
このようにイノシン酸とグルタミン酸との間には味覚上の相乗作用がありますが、これは味覚の点から非常に画期的なことで、現在の複合化学調味料出現の一つの理論的裏付けになっています。

グルタミン酸ナトリウムとイノシン酸ナトリウムの濃度の和を0.05%と一定にして、その配合比率を0~100%まで変化させた場合、イノシン酸ナトリウムの配合比率が10%までは、味の強さは急速に上昇しますが、それ以上になると味の強さの増大は次第に緩やかとなって、15%以上ではさらに緩慢となります。

さらに30~70%までは味の強さはほとんど不変となって、70%以上になると緩やかに減少して、90%以上では急速に減少して、ほぼ左右対称の曲線を描きます。

グアニル酸
グアニル酸は1894年にHammerstenおよび1898年にBangによって膵臓核酸から分離され命名されたもので、その化学構造はイノシン酸と同様にLeveneらにより1930年代に決められました。

グアニル酸ナトリウムの呈味性が発見されたのは比較的近年で、国中らが1960年に核酸関連物質に味を系統的に検討した研究の中で、5’-グアニル酸ナトリウムがうま味を持つことを見出し、実用化されました。

イノシン酸やグアニル酸などは、核酸系調味料と呼ばれますが、これは細胞中に核酸と呼ばれる成分が含まれていて、この核酸を取り出して化学的に処理すると、イノシン酸やグアニル酸が得られるためです。

グアニル酸はその構造からguanosin-5’-mono-phosphate、略してGMPと記されます。グアニル酸ナトリウムはイノシン酸ナトリウムと同様に、グルタミン酸ナトリウムとの間に、特異的な相乗作用があって、複合調味料として利用されるゆえんとなっています。

グアニル酸は椎茸などにも含まれるので、一部では椎茸の味などと称されますが、実際はイノシン酸と同系統の味なのです。天然食品中に遊離ヌクレオチドとして5’-グアニル酸が存在することは、シイタケ煮出し汁からはじめて見出され(1960年)、その後各種のキノコ類、牛豚などの獣肉中にも含まれることがわかりました。

グアニル酸ナトリウムは、イノシン酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウムとの混合物、または前二者のみの混合物として市販されています。

参考資料;食品調味の知識より