07.見原の奮闘記!

今回は、製品紹介ではなく10月と11月に原料加工の現場を見学してきましたので、そこで学んだことをお話します。

10月中旬には、九州に見学に行きました。まず最初に訪れたのが、熊本の牛深です。牛深は天草市の南に位置しています。雑節の製造量が日本一といわれています。

雑節というのは鰹節以外の節のことで、サバ、イワシ、トビウオ、アジなどのことです。牛深での印象は、どの業者も独自の設備投資を積極的に行なっており、とても活気があるように感じました。

しかし、話を聞いた業者さん達は、口を揃えて、「魚が採れていない、魚価が安定しない。」といっていました。普段、削りの現場で、節の値段と質に関して配慮しながら削っていますが、原料加工の現場でも苦労があることを改めて実感しました。

牛深のあと、鹿児島の枕崎、山川に行きました。ともに、港湾沿いに鰹節業者が軒を連ねる、まさに鰹節の町でした。私は、焼津に住んでいますので同じような雰囲気だと感じました。

枕崎では、朝早くから何軒もの会社で鰹の生切りが行なわれていました。焼津との製法の違いなどを勉強することが出来ました(焼津では水中で骨を抜く水骨[みずぼね]、対して枕崎では節を持って骨を抜くおか骨という違いなど)。

さらに、結納等で使用される一本売りの本枯節をみせていただきました。持った瞬間ずっしりとくる重みと、叩くと楽器のようにカァンと響く硬さがありました。最近ではこのような最高級本枯節の職人が減ってきていると聞いています。日本の食の伝統文化を残して行きたいと思いました。

11月には静岡の沼津に行きました。沼津といえば日本有数のさば節の産地です。街のところどころに乾燥機の燃料となる薪が置いてあるところなど焼津に似ています。全盛期と比べ加工業者の数が減ってきているという厳しい状況をうかがうことが出来ました。

どの現場を訪問しましても厳しい原料事情が出てきます。口を揃えていうのが「海が変わった」という言葉です。変わったというのは魚が採れなくなったということもありますが、採れる魚の質が変わってきているということです。ウルメイワシが一年を通じてとれたり、春ごろ採れるはずの脂の少ないサバが秋に採れたりしています。

そのような変化は削り節の品質にも影響してきますので、原料事情を正確に知る必要があります