07.製造現場見原奮闘記!

先月号の続きでだしの濃さについてお話します。

 まず、だしの濃さ(濃度)を表すとき、弊社ではBrix(ブリックス)という単位を使用しています。Brixという単位がよく使用されているケースとして果物の甘さがあります。

スーパーマーケットなどの果物の売り場で『この○○は糖度××度です』という表示を見たことがあるかと思います。この糖度こそがBrixの値なのです。

果物の場合には糖類がほとんどですので主に糖度と呼ばれています。かつおだし等には糖類のほかにも塩分やかつおのエキスが溶け込んでいます。溶け込んでいる成分のことを『可溶性固形分』といい、液体中の可溶性固形分の割合を百分率(%)であらわしたものをBrixと呼んでいます。

たとえば100gのかつおだしがあり、そのBrixの値が5%であった場合、このかつおだしは、5gの可溶性固形分(かつおエキス、塩分、糖分)と95gの水分で構成されているということになります。

ちなみに、液体だしを製造するとき、Brixはとても重要です。弊社では、主に濃縮タイプのだしを製造していますので、だしの濃度にばらつきがありますと、使用するお客様が希釈したときに、製造現場以上のばらつきになってしまうからです。ですので、液体だし製造中は製造工程ごとにBrixを計測して品質を維持しています。

 さて、今回の検証の計測結果は以下のとおりです。
節そのもの・・・0.3%
厚削り・・・1.0%
クラッシュ・・・1.0%
色も味も薄かった節そのもののだしは、固形分が充分に溶け出ていないことが分かります。

長時間抽出すれば溶け出るかもしれませんが、時間等の効率面を考えますと、やはりクラッシュや厚削りを使用するほうがよいでしょう。

クラッシュと厚削りはBrixだけとってみると同じ結果でした。溶け出た固形分の量がほぼ同じであったということです。
今回の検証では、かつおだしをとるときには、節そのものを使用するのではなく、砕いてあるものや削ってあるものを使うべきであるということがわかります。

クラッシュか厚削りかは、使用目的によって使い分けるとよいかもしれません(料理の味がかつおだしが主な場合は厚削りを使い、かつおだしのほかに濃い味付けのものはクラッシュを使う)。