06.食品調味について

辛味、渋味、えぐ味など

前回に引き続きカラシの成分について
カラシの辛味はただ口の中だけにとどまらず、揮発性があるため鼻腔粘膜を刺激して、鼻にツンとくるような辛味を感じさせますが、これはシロガラシよりもクロガラシと和ガラシの方が強くなります。

これらは主としてアリルイソチオシアネートを生成するのに対して、シロガラシではp-hydroxybenzyl isothiocyanateを生じますが、これは揮発性が少ないためです。シロガラシの辛味の母体物質はシナルビンで、やはりミロシナーゼによって分解されます。

⑧ワサビの辛味成分
ワサビにはワサビ(Japanese horse radish)と西洋ワサビ(horse radish)とがあって、後者はワサビダイコンとも呼ばれて、辛味は弱く、粉ワサビの原料になっています。辛味成分はいずれもシニグリンを母体をする多量のアリルイソチオシアネートと少量の第二ブチルイソチオシアネートで、和ガラシに似た強烈で鼻に抜ける辛味を示します。

2.渋味

あの人の着物は渋いとか、浪花節を語る渋い声などという場合には、派手ではないが趣味が良いとか、年期が入っているとか、落ち着いた深味があるというような意味で、渋いということは決して悪いことではありません。

しかし、「あいつはどうも渋くてかなわん」などという渋チンはいわゆるケチの意味となります。

「渋い顔をされた」などという場合は少なくとも快く賛成されたという感じとはほど遠いものとなります。本来の意味の渋味は例えば、渋柿などで代表される味となります。欧米人は苦味はそれほど嫌いませんが、渋味はastringent(収斂性の)と表現して、特に嫌っています。

もちろん日本人にも強い渋味は深い極まる味となります。しかし、淡い渋味は苦味に近くなって、他の味と混ざり合って、独特の風味となります。例えば茶では適度の渋味は大いに喜ばれます。

中には口が曲がるほど渋い茶を飲んで通ぶっている人もいます。渋みの本体は主としてタンニン系の物質で、カキのゴマと称するものは不溶性のシブオールです。

不溶性にすれば渋みを感じなくなるので、例えばカキのタンニン類はアルコールで凝固させて不溶性にすることができます。カキの渋抜きはこの性質を利用したものです。細胞の生活力を抑制して、分子内呼吸を行わせて、酸化酵素を働かせて不溶性にすることができます。

参考資料;食品調味の知識より