06.食品調味について

アミノ酸およびペプチドの味
2.ペプチドの味
アミノ酸には二十余種あって、それらはそれぞれ独特の味をもっていて、また、これらが種々の配合で存在することによって、各種の食品の味の特徴を作ることを前に述べました。

それでは、種々のアミノ酸がそれぞれ二つ、あるいは三つ結合したものはどのような味になるであろうか、こういう疑問を持つ人は少なくないでしょう。

各種のアミノ酸がいくつか結合したものがペプチドです。ペプチドはまた、種々のタンパク質を加水分解したときにも得られます。

アミノ酸の種類は二十数種あるので、これらの二つずつの組合せもかなりの数になります。そのすべての組合せが調べられているわけではありませんが、個々のペプチドの呈味性は天然物から分離したもの、および合成したペプチドについて種々調べられています。

その結果では、ペプチドの味は複雑で、簡単に甘いとかすっぱいとか表現できるものではなく、それ以外の味も多少加わったものですが、大別すれば酸味のあるもの、苦味のあるもの、味のないものに分けられます。

ペプチドのエステルの中には甘味を持つものもあります。なお、アスパラギン酸とフェニルアラニンのペプチドのメチルエステル、アスパラギン酸とチロシンのペプチドのメチルエステルなどは甘味をもっています。

ペプチドも食品中で呈味上種々の役割をしていることが推定され、食品中のペプチドの量は食品によって相違しますが、研究も進んでいて、存在の意義も深いものとしては、清酒、しょうゆ、みそなどの醸造食品、チーズなどの発酵食品および肉エキスなどがあげられます。

清酒中のペプチド含量は清酒100ml中に200~300mg程度であって、清酒の全エキス分の20%前後で、アミノ酸に次ぐ含有量です。

清酒中のペプチドの配列として低級ペプチドはアスパラギン酸-グルタミン酸、アスパラギン酸-グルタミン酸-シスチン、中級以上のペプチドとしてはグリシン-アスパラギン酸-グルタミン酸-セリン-アラニン…の型で示される規則性が認められて、低分子ペプチドは原料の米タンパク質に由来して、中高分子ペプチドは醸造中にできたものと考えられます。

しょうゆ中のペプチドは全窒素の15~19%存在して、酸性ペプチドが多いです。ペプチド中のアミノ酸としてはアスパラギン酸、グルタミン酸、ロイシンの含量が多く、これらの分離されたペプチド群は苦味と渋みをもっています。

参考資料;食品調味の知識より