03.カツオ漁船と魚群との出会い

カツオ漁船にとって漁の出来不出来は、カツオの群れに出会う事が出来るかどうかに大きく左右されます。今月は漁船がどうやってカツオの群れを探しているかについてお話ししていこうと思います。

【海水の状況確認】
カツオの群れが好きな海水条件は、鰹にとっての主食であるプランクトンや小魚がたくさんいる環境です。こういった環境では海水は温度が高くなっていて、色は緑がかっています。冷たい海流で、濃い青色をしている海域にはカツオの群れは泳いでいません。条件の良い海域を探し、時には他の漁船の進行方向にも注意しながら、海水の温度や海水の色を測りつつ、魚群を求めて、漁場に向かって進んでいきます。

【船の“メガネ”とは】
カツオ群を探すのには、以前は双眼鏡が主力でした。近年ではそれに加えて魚群探知機・ソナーといった電子機器が活躍しています。魚群探知機が船の真下を調べるのに対し、ソナーは船の周囲の海中に超音波を発射して、その反応を見ることで魚群の分布状態を調べます。こうした機器を使用しての機械探知と、船の高い場所から双眼鏡での目視探知の両方を行うことにより、カツオの群れを注意深く探していきます。双眼鏡で探す職は“メガネ”と呼ばれていて、大変重要な役割とされています。

【海鳥の群れを探す】
カツオの群れがいる好条件の海域には、小魚もたくさんいますので、その海面の上空には、小魚を狙った海鳥の群れが固まっていることがあります。海鳥がきれいに並んで飛んでいる場合には、その下の海面にカツオの群れが同じ様に泳いでいることが期待されます。

【カツオの群れのお食事タイム】
群れとなった海鳥が上空で回転をしてその場に留まり始めると、カツオの群れが餌となる小魚を取り囲んで追い込んでいる状態となっていることが考えられます。この状態を“餌床(えどこ)”と呼び、この瞬間は言うなればカツオの群れのお食事タイムです。このような状況の時、海鳥はカツオに取り囲まれている小魚を狙い、上空では旋回しながら次々と急降下して小魚を食べます。このような状態のことを“鳥巻き”と呼んで、カツオの食いつきも良いと言われています。
このような海鳥の特性を知っている漁業者は海鳥を探し、その動きからカツオ群の存在とその状態を想像します。近年では海鳥を探すレーダーやソナーも効果を発揮しています。また、カツオには大きな流木などの漂流物やサメ、クジラなどに並んで泳ぎたがる習性があるため、“メガネ”はこれらもカツオを探すための手がかりとすることがあります。