01.お勧めの1冊

しんがり

清武英利   講談社

山一證券が自主廃業後、会社に残り破綻の原因を追及した人々のノンフィクションです。序章が破綻の場面、メインがその原因の追及、終章が同社社員のその後といった構成です。

メインの章では「飛ばし」とか「簿外債務」などの用語が飛び交い、全て理解したとは言えないというのが本音で、むしろ序章と終章に強く共感してしまいました。同社破綻のニュースを他人事のように見ていた数年後、自分の勤務先が同じ運命を辿った事が理由です。山一の社員は自社の破綻を日経新聞で知ったそうですが、私はお客様からの「お前っち会社、テレビに出てるぞ。」という電話で知りました。極一部の役員以外は報道で初めて知らされるのはこういう事態での共通項なのでしょうか。そして終章、山一の社員はおおむね再就職に成功したそうです。終身雇用神話が崩れた現在、転職はネガティブなことではなくなりました。しかし、それに成功する人は前職でも全力を尽くした人ではないでしょうか。