03.カツオ群の餌への食いつきについて

カツオ漁船はカツオの群れを発見すると、見失わない様に急いでそれに向かって行き、近くまで行ったら、さらに注意しながら距離を詰めて行きます。そして、ある程度の距離になったら、船の側面から水を撒きながら活餌を投げ入れていきます。

【散水する事の効果】

効果的に水を撒くことにより、カツオには海水の様子が小魚の群れが飛び跳ねている様に見えるため、カツオの群れを一気に興奮状態にさせることができます。また、カツオは目が良く、散水がうまく行われていないと、釣り針や釣り糸といった仕掛けと餌との違いに気づいてしまう事で、警戒して食いつきが悪くなってしまうことがあります。

【カツオの視力と聴力】

カツオは視力が鋭く、基本的に目で見る事で餌を選ぶので、餌は元気があって、キラキラと光沢のある小魚を食べようとします。餌の小魚が弱っていたり、不自然な動きをしていたり、見慣れない餌だったりすると、食いつきが悪くなります。散水させる事と、餌を撒く事をバランスよくすることで、目の良いカツオ達に仕掛けに気づかれずに、おいしそうで活きの良い餌が集まっていると感じてもらえるのです。また、カツオの聴力はあまり無く、漁船のエンジン音などに警戒する事はありません。

【餌を投げ入れる位置】

カツオの群れに餌を投げ入れる時には、群れの進行方向の2メートルぐらい先、斜め45度ぐらいの位置が最も餌への食いつきが良いと言われています。これはカツオの目が付いている場所からカツオの視野を考えれば、カツオにとって最も目に入りやすい所だという事が分かります。

【先頭のカツオを見つける】

カツオの群れには先頭を泳ぎ、進行方向を決めている魚がいることがあって、これを“矢走りカツオ”と呼んでいます。この矢走りカツオを見つけて、群れの動きを予想することでうまくカツオの群れを誘い込むことができます。矢走りカツオにむかって餌を投げ、それに気が付くと飛びついてきます。そうなることによって、カツオの群れ全体を漁船の周りにおびき寄せる事ができます。

【カツオ漁の始まり】

矢走りカツオに導かれて漁船の周りに来たカツオの群れ全体に向けて、一気に大量に餌を撒き、十分に散水をすることで、漁船の周辺のカツオの群れの食いつきを最高に良い状態にすることができます。カツオの群れは猛烈な勢いで餌に飛びついてきます。そして、漁船内では漁が始まり、一気にあわただしくなります。

参考資料:カツオの産業と文化