08.山彦日記  3月 買い物

先日 村の組長さんから急ぎのアンケートを渡された。表題は「移動販売に対するお客様のご要望について」とある。内容は某コンビニチェーンが移動販売車を運行する予定であるが、「皆さんはどんな商品をお望みですか?」などの回答を書くようになっている。う~ん、これは難しい問題だ。

昨今「買い物難民」は田舎に限らず全国的な問題になっている。近所のお店は売り上げが減って閉店し、車を運転できない老人世帯などが買い物に難儀している問題である。

山彦の田舎は近代的なお店はないけれど、おじいさんおばあさんが営んでいる村のよろずや的なお店はいまだ健在だ。品物にこだわらなければとりあえず困ることはなかったが、後継者不足など村内のあちらこちらにあったよろず屋も次々に閉店してしまった。そのため買い物に不自由な人々が増えてきた。

その中での「移動販売車」である。コンビニが車に乗ってやってくるのであるから歓迎する声もあるだろう。その反面、現在かろうじて営業している店の経営にかかわるようなことがあったらそれも深刻なことになる。店をやっているおじさん・おばさんは昔からの知り合いだし、「お母さんは元気?息子さんはいくつになった?」などとおしゃべりに心も和む。店舗ならではのいつも買える安心感がある。移動販売車に頼ってそのあげく「会社の方針が変わりました。撤退します」なんてなったらもっともっと困る。

それでは山彦がそれらのお店でいつも買い物をするかと問われれば…「ごめんなさい」なのだ。お鍋を食べ始めてから、締めのうどんを買い忘れたことがあった。近所のお店に数か月ぶりに慌てて駆け込み難を逃れた。「あいててよかったぁ」その恩を忘れてはいけない。

さっそくビールを買いに酒屋に走る山彦であった。