04.HACCP かつお節の水分活性

こんにちは。

先月は、かつお節の「水分」に関してお話をしていました。
かつお節などの乾燥食品に、あえて水分を与えることにFDA査察官が疑問を持たれたということです。

乾燥食品は、「水分」を少なくすることによって日持ちが良くなるのですが、日持ちには「水分活性」というものが深く関わっています。

食品の腐敗には、食品に含まれる「水」が関係しています。これは微生物が生育するためには「水分」が必要だからです。
食品中に含まれる「水分」は、その形態から「結合水」と「自由水」に分類することができます。
「結合水」とは、食品を構成するタンパク質や炭水化物と固く結合した水で、「自由水」は環境や温度、湿度の変化で容易に動いたり蒸発できる水です。
微生物が生育するために使用する「水分」は上記の2種類の水のうち、「自由水」です。
そして、この「自由水」が含まれる割合を測定し数値化したものを「水分活性(Aw)」という単位であらわしています。(Water Activity 略してAwと表します)
微生物が生育するためには、それぞれ生育可能な水分活性範囲があるのですが、ある水分活性以下では生育できなくなります。
そのため、水分活性は食品の微生物による変質を防止するうえで重要な指標になります。
例えば、食中毒菌である「ボツリヌス菌」の生育最低水分活性は「0.94Aw」以上ですが、「黄色ブドウ球菌」では「0.85Aw」以上必要です。
反対に、生育最低水分活性よりも低い水分活性状態では、食中毒菌は生育できないことになります。
※「水分活性」が低いと、菌が死滅するわけではありません。

かつお節は、「黄色ブドウ球菌」の生育最低水分活性よりも「水分活性」が低いのが一般的です。
そのため、菌の繁殖が起こりにくく、保存性が高くなっています。
そこへ、あえて水分を与える工程が「削りぶし」の生産工程ではあるものですから、「かつお節」文化のない外国の査察官には、甚だ疑問に感じられた、ということでした。
こうして考えてみると、確かに解せない部分です。

次号へつづく。