03.活餌はカツオ漁船にとっての生命線

今月はカツオのエサについて、お伝えしていきたいと思います。

カツオは日常的に生きた餌を捕食しており、その良否を選択する能力も強く持っています。例えば、カツオの群れが天然の魚を追いかけている時には、かつお漁船の投げ込んだ餌に全く食いつかないことが良くあります。また、投げ込まれた餌が死んだり弱ったりしている場合には食いつかないカツオもいます。

【カツオはイワシが大好物】

活餌はカツオ漁船にとって“生命線”といえます。というのは、活餌なしにカツオ漁業は成り立たないですし、また、漁の成績も活餌の良否に大きく左右されてしまうからです。カツオはイワシ類などの小魚が大好物です。漁獲されたカツオの胃の中の内容物を見てみるとそのことが良く分かります。

【活餌の買い付け】

カツオ漁船に搭載される活餌はカツオの好みや海域によって、マイワシやカタクチイワシなどのイワシ類の他、小アジ、小サバ、ムロアジ、キビナゴなどがある。その際に、カツオ漁船乗組員の一員であるエサカイ(餌買い)と呼ばれる担当者は、遠隔地の餌場まで、事前に派遣されて、活餌を確保しておきます。カツオ漁船は餌場まで出向いて、活餌を積み込んでから出航します。

【シンエサとナレエサ】

活餌は、いけすの中で畜養されたものを用います。これは、カツオ漁船の中では活餌を収めておく水槽が狭く、そこに収容して漁場へ出かけていくためには、活餌は限られた空間で十分に慣らされていた方が向いている為です。漁獲されたばかりの活餌はシンエサと呼ばれます。   しかし、これを搭載していくと、カツオ漁船内の水槽でほとんどが死んでしまう事があり、カツオ漁に向きません。そのため、いけすにおいて、10日間ほどは畜養された、ナレエサと呼ばれる活餌が重宝されます。いけすは若干の海流の移動があり、波は少なく、水温や水質の変化が緩やかな内港や入江に設けられています。カツオ漁にはいわしの場合、体長6cmほどの太ったものが最適といわれています。

【活餌を新鮮に保つために】

活餌が漁船内で死んでしまう原因には、魚体への傷のほか、水槽内の酸素不足と水温の上昇などがあります。魚体損傷に対する抵抗力が強いのはカタクチイワシよりもマイワシであり、しかも小型より大型の活餌です。しかし、酵素不足に対しては、逆であり、マイワシよりもカタクチイワシの方が、大型より小型の方が、抵抗力が強いです。

参考資料:カツオの産業と文化