01. おすすめの1冊

百年法

山田宗樹  角川文庫

 

設定は日本の近未来です。日本は敗戦の数年後、人を不老にする処置を始めました。処置は20歳になると受けられるので、20歳で受けた親の子が20歳になりこれを受けると、その後親子の外見は同い年のまま続きます。その結果、親子家族の情が薄れ、家族という単位が崩壊した社会となります。またナンパした女性が生物学上の自分の祖母だったという事もおこります。この処置は人を不老にはしますが不死身の身体にするのではないので、車に轢かれれば死ぬし自殺も死刑執行も可能ですが、リアルな死と向き合う機会が圧倒的に少ない社会になりました。身体は不老でも感性の老化から来る国力の低下、そして当然予想される人口爆発を防ぐため、不老処置を受ける時に百年後には安楽死を受容れると署名させられるのです。

第1回不老処置から百年を迎える1年前、リアルな死(しかも膨大な)を目前にした時点から舞台の幕が上がります。その世界には何が待っているのでしょうか。