01. おすすめの1冊

ヒトイチ

濱 嘉之   講談社文庫

 

ヒトイチとは、捜査一課をソウイチと略すのと同じで、警視庁の人事一課の略称だそうです。その人事一課の中の監察係、「相棒」シリーズで神保悟志演じる大河内主席監察官の所属する部署が本書の舞台です。

所轄の組織犯罪対策課の課長代理と反社会勢力との癒着等、3話の中編集ですが、この部署が疑い、追跡するのは警察内部の人間です。監察は警察の警察と言われ、内部の人間にも敬遠される存在です。監察課係員も皆、身内を疑う葛藤をかかえながらも、組織の自浄のために懸命になります。警察官は一般人の生活を大きく変えてしまう権力を持っているからこそ、この部署が必要なのでしょう。私は横山秀夫氏の警察小説で、刑事以外の警察官の小説に興味を持ちましたが、本書も興味深いものでした。

もう一つ印象に残ったのは、第1話の冒頭での、一般人が新宿歌舞伎町のキャバクラでぼったくられるシーンで、十分注意しなくてはと感じました。