03.鰹本枯節について④

鰹本枯節が出来るまでの工程。今回で最終回です。鰹の焙乾からカビ付けをして、本枯節の完成です。

 

【製造工程 ⑥焙乾(ばいかん)】

修繕が終わった鰹節の原料は、焙乾工程に移り、いよいよ鰹節らしくなっていきます。イメージとしては、燻製を作るのに近いでしょうか。

蒸篭(せいろ)に原料を、ムラなく乾燥するように綺麗に敷き詰め、熱風と煙を当てて鰹節の中の水分を飛ばしていきます。水分を飛ばす為に、薪で火をおこして乾燥させていくのですが、この火の加減が強すぎると、鰹節の表面が火ぶくれしてしまい見た目が悪くなったり割れたりしてしまいます。逆に弱すぎれば、芯まで熱が届かず中央が生の状態になってしまい、腐ってしまう事もあります。この火加減の調整もまた職人技であり、長年の経験と技術がものをいいます。

 

一気に水分を抜いてしまうと、鰹節が身割れしてしまうので、8時間程度焙乾したら一度放冷して原料を休ませます。こうする事で、原料の中央に残った水分がじわじわと外側へ移ってきます。そうして休ませた後、再び焙乾、放冷と繰り返していきます。これを12~15回ほど繰り返すことで、荒本節と言われる、カビを付けて本枯節となる前段階の鰹節が完成します。生の鰹からこの荒本節が完成するまで、およそ1ヶ月程度の期間がかかっています。

 

【製造工程 ⑦カビ付け】

荒本節の完成後、まずは荒本節の表面を滑らかにするようにグラインダー等で削ります。そうして表面の凹凸やタール分を削り落とした節を、鰹節にカビを付ける為の室(むろ)へ入れます。

カビを付ける事によって、このカビが鰹節の中に残っている水分を吸い上げるので、節の水分は更に低くなり凝縮されていきます。また、このカビの働きにより、タンパク質が旨み成分であるイノシン酸へ変化していくのです。

 

この工程も、一気に行うと鰹節が割れてしまうため、表面がカビに覆われたら一度室から出し、天日で乾燥させます。その後、表面のカビを払って再度室に入れてカビ付け→天日干しと、この工程を何回も繰り返し行います。このカビ付け工程を通して、十分に水分を飛ばし、旨みが凝縮された節が、鰹節の中でも最高級と言われる本枯節と呼ばれるものになります。

1