06.食品添加物について

こんにちは。本章では指定添加物の保存料についてお話します。

9)保存料

食品の保存中における腐敗、変敗の中で特に、微生物(細菌、カビ、酵母)の増殖によって起こる食品の変質を防止し、保存性を高める目的で使用する添加物を保存料と言います。保存料が微生物細胞にのみ作用して人体に影響を与えないような薬品であれば理想ですが、そのような薬品本来ありえないですね。そのため、一種の細胞毒と見なされる保存料を人体に無害な条件で、微生物に選択的に作用させ、食品保存の目的を達成するために使用基準が設えられています。主な保存料と作用する微生物は次のようになります。

ソルビン酸及びソルビン酸カリウム…乳酸菌やClostridium(細菌の一属)以外の細菌、カビ、酵母に有効。安息香酸及び安息香酸ナトリウム…カビに対する抗菌活性はやや弱く、細菌と酵母に有効。デヒドロ酢酸ナトリウム…乳酸菌や偏性嫌気性菌及びグラム陰性菌に対する作用はやや弱いが、カビ、酵母及びグラム陽気菌に対して有効。パラオキシ安息香酸エステ類…カビ、酵母、細菌に有効ですが、グラム陰性菌、乳酸菌に対して効力はやや低下する。プロピオン酸及び塩類…酵母には無効ですが、カビ、Bacillusに対して静菌作用があります。いずれの保存料も、pH に大きく関連があります、使用する際にpHの確認や調整は要注意です。

弁当や惣菜など保存性の低い食品に対し、数日あるいは数時間単位の短期間の腐敗・変敗を抑制する目的で添加されるものは保存料ではなくて、日持向上剤と言います。

保存料は、加工食品における食品添加物の表示では、物質名だけではなく、用途名を併記する必要のある使用目的の一つであります。例えば、保存料(安息香酸)、保存料(プロピオン酸Ca)、保存料(ポリリジン)ように用途名の保存料に続けて物質名を表示します。また、2種類以上の保存料を使用したときは、全ての物質名を連記することになっています。ただし、ソルビン酸とソルビン酸カリウムのように同種の保存料を併用した場合は、保存料(ソルビン酸(K))のように表示することができます。

パラオキシ安息香酸類に関しては、簡略名としてパラオキシ安息香酸が認められているため、複数のパラオキシ安息香酸類を併用した場合でも、保存料(パラオキシ安息香酸)と表示することができます。

では、次回に。

参考資料:食品衛生法;食品衛生学。