01.おすすめの一冊

激流 上下

柴田よしき  徳間文庫

 

本書の冒頭は、東京の中学3年生男女7人組が京都での修学旅行の自由行動中、バスでの移動の最中に1人の女子生徒がいなくなるシーンで始まります。単純に降りるバス停を間違えたか、単独行動したかっただけかと思われましたが、結局その生徒は見つかりませんでした。

次のシーンは一気に飛んで20年後、行方不明の生徒以外の6人の35歳になった現実が描かれています。成績抜群だった男子生徒は東大を出て大手メーカーに就職したものの派閥抗争に巻き込まれ、準窓際族になっていました。いつも斜に構えていた女子生徒は歌手として成功しますがコカインに手を出し前科がつきました。類まれな美貌の女子生徒は夫がリストラされ、娘の私立の学費に悩む専業主婦になっていました。夢を見るだけの中学生から現実に追われる大人になっていました。その内の1人に「私を覚えていますか 冬葉」とメールが届きます。そのメールは20年前行方不明になった小野寺冬葉からのものなのでしょうか・・