03.終・トランス脂肪酸とはなんでしょう

トランス脂肪酸について説明させてもらってはや3ヶ月。ようやく今回で終わりとなります。

 

⑤トランス脂肪酸の在り処

トランス脂肪酸は、シス型不飽和脂肪酸に水素添加の加工を加える事で発生する事を説明させてもらいました。実はこれ以外にも、自然界に極微量ですが存在します。それは牛や羊などの反芻動物の脂肪です。反芻する際に、微生物の働きによって脂肪酸の一部がトランス脂肪酸に変わる事があるそうです。ただ、偶発的なものである為その総量は極めて微量かつ一定ではないので、単純に牛肉の中に何%含まれる等と言えるものではなく、入っていても無視出来るような量です。実際、アメリカでの規制も人工的な水素添加によって発生するトランス脂肪酸について規制する内容となっています。

 

⑥かつお節にトランス脂肪酸は?

ここにきてようやく最初のテーマ。多く頂いた問い合わせで、かつお節やだし等にトランス脂肪酸は含まれていますか?に対する回答です。これまで読んでくださった方はご理解頂けたかと思いますが、製造工程の中に水素添加が入る余地がありませんので、「含まれていません」と回答しても何ら差支えはありません。含まれる物についておさらいすると、基本的には水素添加を行った食材とその加工品(マーガリン、ケーキ、揚げ物etc)、一応少量含まれるものとして、反芻動物の肉、と

 

なります。

 

⑦トランス脂肪酸は体に悪い?

結論を言うと、取り過ぎは体に悪い、という事になります。摂りすぎる事によって心臓疾患や高血圧、心筋梗塞等のリスクを高める事は実際に研究結果として分かっているそうです。

ただ、今回はアメリカで規制が入った為に大きく注目されましたが、日本人の平均的なトランス脂肪酸の摂取量からすると、特別目の敵にして減らそうとするような品目でもないそうです。

感覚的に話をすれば、水素添加されている製品と言えば、揚げ物やお菓子。言われなくてもそればかり食べ過ぎては体に毒だ、というのはみんな感じている事ではないでしょうか。塩分も糖分もトランス脂肪酸も同じです。適度に取る分には問題ありませんが、採りすぎればどれだって健康に悪影響は出るものです。仮に水素添加に変わる技術が登場し、トランス脂肪酸を発生させずに揚げ物やケーキが作れた所で、そればっかり食べていればあっという間に体は壊すでしょう。カルシウムだって、採りすぎる事で動脈硬化のリスクが高まるなんていう論文もあります。

たまたまメディアに注目されたからと言ってトランス脂肪酸ばかり悪者にせず、バランスの良い食生活を心がける事が大切という事ですね。