01.おすすめの一冊

七つの会議
池井戸 潤   集英社文庫

本書の著者はあの半沢直樹の著者で、銀行もの以外の企業小説も安定の面白さでした。
 他の著作でも見られるスタイルで、一つの企業(本書では東京建電というメーカー)を舞台に章ごと主人公を変えながら展開する連作の集合体としての長編です。営業2課長の原島が営業会議で部長に激しく叱責される場面で幕が上がります。そして彼より年下なのに営業成績抜群の1課長が坂戸です。この会議でも原島と対照的に部長に称賛されます。その坂戸が仕事のできない部下、八角からパワハラ委員会に訴えられたのです。坂戸と八角の会社への貢献度からみて厳重注意程度で済まされるだろうと誰もが思っていたところ、営業部を外され人事部付けという裁定が下りました。この不自然な人事の後、1課長になったのが原島です。そして第2章、かつて坂戸に採算が合わないと取引を切られたネジ製造会社の社長が主人公。そこに原島が訪問し、小さな疑問が生じ、やがて大きな不正が明るみに出るのです。