06.栄養学からみる鰹節

こんにちは。
鰹節は日本の食文化を受け続いている食材です。今日は鰹節がどんな食べ物についてお話します。

かつおは本来旨み成分を多く含んでいますが、煮熟によって味が薄くなります。この状態をなまり節と言います。ところが、乾燥させる過程で蛋白質に変化が生じて、濃厚な味が出て来ます。これが焙乾を加えると、使用する燃料の煙から発生する成分のうち、フェノール類の作用によって芳香が付けされ、各種酸類の作用によって酸味が生じるほか、酸化防止効果もあります。この状態を荒節と言います。

しかし、それだけでは生臭みは消えないし、長期保存中に悪カビにより腐敗してしまいます。そのため、良いカビを付ける工程を加えます。数十種類のカビで裸節(表面のタール分を取った荒節)の表面を覆うと、カビが脂肪を分解して、生臭みを取り去り、香味をよくし、清澄なだしが取れるようになります。カビの酵素力により蛋白質が分解され旨みを増やす効果もあります。カビ付け工程を重ねるほど、節は美味しくなります。工程を完成するのに、約3~4ヶ月掛かります。カビ付け回数で、一番カビ、二番カビ、三番カビと言います。主に三番カビ以上のものを本枯れ節と言います。
カビの管理は非常に難しいです。誤ると悪いカビが付けられて腐りの原因になったり、完成品でも空間(スキ)が出来ていると悪いカビの繁殖することにもなります。そのため、とても手間をかけた節で、高級品として取り扱われます。
 
このように出来上がった鰹節は、良質の蛋白質の塊です。100g中に蛋白質は77.1g、エネルギーは356Calです。骨や歯と作る成分でもあるリンも多く(790mg)、心臓、筋肉機能を調節するカリウムも魚類中最高の部類です(940mg)。ビタミンB1(0.55mg)、B2(0.3mg)も比較的豊富であり、胃腸管の働きを正常に保ち、皮膚を健康にする働きのあるナイアシン(45mg)も豊富に含まれています。また、鰹節の旨み成分は、イノシン酸と言われます。このイノシン酸は全身の細胞を活性化させる重要な成分です。それ以外に、体に必要な必須アミノ酸は8種類も含有しております。
このように、鰹節はわたしたちが想像している以上に栄養価が高いのです。鰹節は知れば知るほど面白い食材です。では、次回に。
参考資料:「ものと人間の文化史 鰹節 宮下章」。「新ビジュアル 食品成分表「増補版」」、「五訂日本食品標準成分表」