01.おすすめの一冊

信長の影
岡田 秀文   双葉文庫

織田信長について、同時代を生きた他人からどう映っていたかという視線で書かれています。他人とはライバル大名、叔父、部下、母など8人の視線なのですが、なるほどと感じたのは「部下」の立場の柴田勝家の章でした。
 彼は本能寺の変が起きた時、織田家中では1番の重臣でした。しかしご存知の通り、仇討ちという功績は羽柴秀吉に取られ、結局その後の主導権争いにも敗れ秀吉に滅ぼされます。その原因は一般的には、彼の領地が雪深い北陸の地でまた秀吉を新参者として過小評価していたことなどが挙げられます。しかし本書では、彼は信長の死を知ったときから恐怖という重しがなくなり、緊張感を失ったというのです。信長は秀吉の様な農民の子も実力があれば重用するし、だめなら古い重臣も追放しました。勝家はその恐怖心から必死で手柄を挙げてきたが、その動機付けがなくなったのです。ネットでこの説は目新しくはない事も読みましたが自分にとってはなるほどと感じるものでした。