01.おすすめの一冊

幸せ戦争
青木裕子   集英社文庫

たまには殺人事件や企業の不正問題などが一切出てこない、日常生活を描いた本を読みたいと思い本書を選びました。
前庭を共有した4世帯のご近所付き合いを描いたもので、一家のご主人や子供も出てきますが、やはり近所付き合いというテーマ柄主要人物は各家庭の主婦たち4人です。4世帯の土地の元々の所有者だった資産家の娘、仁木多佳美、その高校時代からの友達、能生美和、共働きで近所付き合いから一歩引いている高井戸想子、そして後から引っ越してきて仲間外れにならないように必死な氷見朝子の4人です。冒頭に家族状況が載っているのですが、そこには五つの家族が載っています。即ち、氷見家の前の住人堤家です。となると、なぜローンで家を建てたのに堤家は出て行ったのかが気になりながら読むことになります。すわ、ドロドロしたいじめかと思うと、ちょっと違うんですよね。堤家を回想で登場させながらの4者4様、大事件は起きなくても面白い話でした。