03.原料高騰における環境と時代背景 ②

こんにちは。社長の小林です。先月からの続きをお伝えいたします。
昔は鰹節製造会社が焼津の至る所にありました。しかしながらカツオを切る際に大量の血水がでます。  
これは鰹の血をそのままにして鰹を切りますと包丁が滑り怪我をするので、大量の水で流します。血水が町の中の川を流れ、汚水処理として問題になりました。また鰹を燻(いぶ)す際の煙も問題になりました。煙が住宅地に流れれば、洗濯物が干せません。この10年ほどでは、他の地域から引っ越しして来た方から鰹節会社から燻(いぶし)の煙が出ていますと、火事と勘違いされるような事もおきました。対策としては水産加工団地を作り、移動できる会社はそちらに移動しましたが、移動できない会社も当然ありました。移動できない会社は地域のおじいちゃん、おばあちゃんに仕事をお願いしていたため、加工団地に移動すると、その人達が通えなくなり、熟練者が居なくなってしまうのです。このような流れの中で複数の鰹節業者が廃業を余儀なくされて行きましたが、その中で起きた変化がいくつかあります。

① まず移転又は工場を新築するに
あたり、鰹節業者は当然の事ながら大型化されました。時を合わせるように焼津市も大型船を入港できるように港の底を深くして、大型撒網船が入港できるようになりました。これは焼津市全体で加工するパイを大きくする方向です。
② HACCP対応の鰹節製造会社な
ど環境面における付加価値(次月説明)を付けた工場が複数出てきました。これは鰹節が乾物という認識から加工食品という認識に変化しつつある状況だと推察されます。以前は家の横に工場がありましたので、飼い犬などが工場に当然のようにいたのですが、鰹節が和食として世界に輸出されていくようになるには、この意識変化は、とても大切な部分になります。
③ 反面、鰹節製造会社が少なくなり、
鰹節の種類が少なくなりました。我々のような鰹節を原料として購入し、多くのお客様の希望される「特徴ある〇〇」というものを打ち出したい場合、従来ですと同じ荒節でも、
・燻製が沢山効いている鰹節、
・燻製が少なく鰹本来の旨みが残っている鰹節
・魚体が小さい物に特化した鰹節
・魚体が大きい物だけに絞り、削った時に「花かつお」が大きく見える
・粉末加工にするなら、「〇〇鰹節屋の指定のもの」
など、このような提案やお客様とのやりとりが可能だったのですが、鰹節業者の減少により、日本全体で鰹節全体の横幅(種類)が減ってきました。加えて鰹節業者が年々減少しく中では、家族で行えるところは現在でも行っているのですが、社員数が10~20人規模の会社がこの20年で数多く廃業を余儀なくされました。この規模の会社が業務用向けに鰹節の種類を数多く抱えており、独自の技術を持って、鰹節業界の下支えをしていたのです。