01.おすすめの一冊

賢者の贈り物
石持 浅海   PHP文芸文庫
 
表題作はオー・ヘンリーの、他も名作や童謡のオマージュを集めた短編集です。その中から「可食性手紙」を紹介します。
 本題の主人公、女子高生の「わたし」は期末試験に臨んでいます。わたしは試験に備え、カンニングペーパーを作りました。しかも先生に見つかりそうになったら食べてしまえるようにオブラートで作ったのです。それを筆箱から出そうとするとオブラートが2枚見えます。1枚しか作っていないのに。1枚を半分開くとそこには「仲野より」の文字が見えました。仲野君は私が密かに好意を抱いている男子です。その時先生が近づいてきたので、わたしはそれをあわてて口に入れてしまい、それは溶けてなくなりました。それは果たしてラブレターだったのか。いや、ラブレターなら期末の最中にこんな渡し方はしないだろう。すると悪口か。いや悪口なら振られるリスクがないのだから堂々と言えるはず。期末試験より重大なその結論は果たして・・・