03.旋網船における海外事情

こんにちは。社長の小林です。鰹が全く獲れない状況ですが、先月からの続きをお伝えします。    
各国の旋網船の数が200隻を超え、漁獲量の増大が懸念されるようになってきた現状では、2000年あたりから漁獲制限の話が持ち上がり色々国際ルールを模索していたのですが、島嶼国からすれば、すでに漁船勢力を確立して自分達の水域の資源から大きな利益を上げている先進諸国の利己的な理論であるとして、ルールには開発途上国上にある島嶼国は例外にするとの付記が加えられています。これは島嶼国にとっては譲る事のできない部分でもあります。
漁獲量の枠が決まる中では途上国は漁量を増やせないが、自ら巨額の建造費をだして、漁船を製造できず、また訓練された熟練の船員を確保できるものでもなく、実態は漁業先進国をけん制しながらもその援助が無ければ国や産業の発展が進まないからです。
このような状況の中、他国は島嶼国に置籍し増隻したり、経済雇用拡大に沿って缶詰工場を現地で建設し、その見返りに島嶼国が他国に対しては閉鎖されている海域に自国の経済発展に寄与するような対策を行った国に対しては許可をして増隻する形となりました。またフィリピンやインドネシア島は自国群島水域内での小型漁船による漁獲拡大を続けており、中西部太平洋全体では、漁獲努力量の枠組みが必ずしも上手に反映されていない状況になっています。
そしてこの10年では、島嶼国の影響が大きくなってきてはいますが、この方法だと自国の発展にも限界がある事から、島嶼国はVDSと呼ばれる、旋網船が漁を行う漁場で日数を付与し、その間の入漁料を徴収する形をとるようになりました。加えて2009年から、島嶼国の中にあるポケット公海(自由操業地域)での操業禁止措置が取られました。結果的に2012年に撤廃はされたものの、島嶼国8か国で構成されるPNAによっては、一部のフィリピン船籍を除き、操業を行わない事となっています。事情があまりにも複雑になりつつある事で現状の打開策が見当たりません。
 私は2015年の冬にPNAの1つであるパラオ共和国に行って来ました。確かに日本統治下に有った為、今でも多くの人達が日本語をしゃべり親日家である事がわかりますが、在住日本人が町の様々な所では見つけられませんでした。代わりに見て取れたのは中国人や台湾の方です。メイン通りを見てみても中国人が経営している中華料理のお店が多い気が致します。パラオという国の内面から見てみた場合、外的な要素を持って政府間交渉をする為に来る日本人より、現地に溶け込んでいる中国人や台湾人の方が恐らく交渉がしやすいのかもしれません。20年、30年かけて相対的に影響力が低下してきたので、この地域での影響力を増やして行く場合は、同じ時間をかけて地域に入り込んでいく必要性を強く感じました。
(参考文献:水産振興)