2.カツオ節の話

今年もFADs漁規制の時期になってきました。FADsとは人工浮き漁礁の事で、人工的に浮きに集まってきた魚を巻き網で漁獲する方法をFADs漁と言います。FADsは海外巻き網船の漁獲方法としては、メインの漁法ですがマグロ等の保護の観点から毎年7月から、FADs漁禁止の規制期間になります。この期間は、群れを追いかける「素群れ漁」がメインになります。FADs漁規制の間は漁獲量が心配されますが、毎年規制期間だからと言ってカツオ節用のカツオが不足することなく水揚げされていますので、今年もそうなることを願っています。ただ今年は、今までにない高値継続の中での規制になりますので、どのように価格に影響するかは予想出来ません。

また、FADs規制と同時期に三陸沖漁が始まります。三陸沖漁とは、宮城県沖の海域で寒流と暖流が交わる絶好の漁場です。いつもは海外で巻き網漁をしている船も、三陸沖漁が始まると、海外まで何日もかけていくよりも効率が良いので、漁業権を持っている船会社は三陸沖漁に行きます。そうなりますと、海外でカツオ、マグロを漁獲する巻き網船の数が減少しますので、絶対的な水揚げ量が減少します。最近のカツオの不漁による高値に加え、FADs規制と三陸沖漁の解禁の影響がどう出るか今後が心配です。

輸入節の状況です。弊社では、フィリピン、インドネシア等から輸入節を仕入れています。輸入節は脂肪分、塩分が少なく良質なカツオ節が多いです。現在のフィリピン、インドネシアのカツオ漁の状況は、今までにない不漁の状況にあります。特に今年は漁に出ても魚が獲れず、少し獲れても現地での食用になるか、缶詰会社に回ってしまう為、カツオ節にはほとんど回って来ません。現地の加工会社も工場を止めざるを得ない状況が続き、1か月に1回も動かないこともあります。今年の4月あたりからさらに漁模様が悪くなり、水揚げ量が激減しているとの事です。輸入節の場合は、水揚げされたカツオを加工してから日本に入ってくるまでに約2か月かかりますので、現在獲れないとこの先2か月間の輸入数量が厳しいという見込みになります。輸入節の数量が減っていることも国産カツオ節の価格高騰に影響を与えています。

 カツオ節を取り巻く状況が好転するのには、しばらく時間がかかりそうです。