1.おすすめの一冊

何者
朝井リョウ   新潮文庫

映画化もされた、二宮拓人や小早川理香ら5人の大学生の就活を描いた直木賞受賞作です。映画といえば「就職戦線異状なし」よりも以前の就活だった私(円高不況から抜け切れず、ブラックマンデーがあった年なので、その映画ほどのバブル感はありませんでしたが、氷河期に就活をした人よりは随分楽だったと思います)には、エントリーシート、履歴書なら書いたけどなぁ・・、Webテスト、何それ?という世界でした。しかし本書は就活のハウツーものではありません。みんなで励ましあいながら就活をしていくうちに、内定の出る学生と出ない学生に分かれてきた時、人間関係にどんな変化が現れるか。必死になっている人を、「なんか痛いよね。」と冷静に分析している方が実は1番痛いことに気づかされます。
ラスト30ページは、本当にひりひりするような緊張感があります。私も含め多くの人が、拓人ほどではなくても、似たような行為をしてしまった経験があるかもしれません。