05.検査業務について (一般性菌数)

検査室で検査されているものは主に、食品の微生物汚染の程度を示す最も代表的なもので、一般性菌数(いっぱんせいきんすう)と、大腸菌群(だいちょうきんぐん)です。
これらは衛生指標菌(えいせいしひょうきん)、汚染指標菌(おせんしひょうきん)といいます。

一般性菌数
酸素を必要とする状態で35℃前後、48時間培養して検出された菌の数です。
どんな菌がどの位いるのか、菌の種類を特定することはできませんが、一般生菌数が少なければ衛生的なきれいな食品、多ければ衛生的に問題がある汚れている食品ということになります(発酵食品は除く)。

また、一般性菌数が多くても、食中毒菌がいなければ食中毒事故を起こす事はないのですが、一般生菌数が多い場合は、病原菌がいるかもしれませんし、さらにはそれらの細菌が増殖している可能性もあります。

増殖に最適な温度は細菌の種類によって違ってきますが、食中毒菌・病原菌はほとんどが35℃前後で最もよく増えます。35℃前後でよく増殖する菌を中温菌(ちゅうおんきん)、20℃前後で増殖するものは低温菌、55℃前後で増殖するものは高温菌と呼びます。一般性菌数では食中毒菌が増殖する中温菌が検査の対象になります。

微生物は植物?動物?
我々の目に見える生物は大きく、動物と植物に分けられる。言うまでもないが、自分で動くことができるのが動物であり、地上に根を張って動くことができないのが植物である。

それでは微生物は動物なのだろうか、それとも植物なのであろうか。実は微生物の中には、植物が根を張る様に菌糸を延ばして生育し、種に相当する胞子を作るものもあれば、鞭毛(べんもう)と呼ばれる長い毛を回して動き回る事ができる微生物もいる。生物の分類は昔から最上位の「界」(Kingdom)として動物界と植物界に分けられていた。

微生物をどこに分類するかについては様々な節が提唱されて来た。例えばヘッケル(1894年)では動物界、植物界と並んで、原性生物界を提唱している。また最近ではWoese(1990年)には界より上位に超界(Domain)を設けて、動物と植物及び原性生物が入る真核生物(ユーカリア)、細菌(バクテリア)、古細菌(アーキア)の3つに分類する節も出ている。

  細かい分類の話はさておき、ここでは細菌やカビ・酵母などの微生物は、動物や植物と並ぶ分類と理解しておく事にする。

食品衛生工学の広場:
食品衛生と微生物より(佐田守弘)引用 参考資料:
食品衛生検査指針・「小さな世界」(社)鹿児島県薬剤市会発行