04.削り節工場に於けるHACCPの取り組み・・・(3つの危害分析とは?)

今月は生物的危害の続きからです。

原料自体に微生物の汚染があった場合のお話は前回号でしましたが、製造ラインの汚染をCCPに設定して管理している工場もあるかもしれません。自工場に殺菌工程がない場合、二次汚染を防ぐために製造ラインの殺菌方法を管理して、安全な製品を作っていることも考えられます。

他には、例えば殺菌工程がない工場の場合、原料や製品に存在する微生物を殺菌出来ないので、微生物を増やさない方法(温度の管理等)をCCPにしていたり、微生物自体に危害はないが、その微生物が産生する毒素に危害があった場合、毒素を出させない方法をCCPにする事もあります。(例えば、黄色ブドウ球菌が産生する「エンテロトキシン」という毒素は、10℃以下の温度帯では産生されにくいという性質から、製品や材料の温度を10℃以下に保つ・・・とか。)

●化学的危害とは…
化学的な原因物質(農薬や薬品など)の混入によって、人の体に悪い影響を与えるもの。最近の実例で言えば、中国の冷凍餃子事件などが耳に新しいですよね。

あるいは、鮮魚で例えると、赤身の魚などは「ヒスタミン」といわれる毒素を産生する場合があります。この「ヒスタミン」はある種のバクテリアの増殖と関係があるとされています。このバクテリアが増殖する際の副産物として「ヒスチジン脱炭酸酵素」というものが産生され、「ヒスチジン」と反応する結果、「ヒスタミン」という毒素が産生されます。

このバクテリア自体は冷凍や加熱で不活化させる事ができますが、一旦「ヒスタミン」が産生されてしまうと、加熱しても(レトルト処理を含む)冷凍しても「ヒスタミン」を除去する事はできません。

この「ヒスタミン」を産生させない方法として、魚を漁獲後に速やかに冷却することが有効とされています。

また、例えば、原料の入荷時に冷凍状態で入るものと、生の状態で入るものがあるとします。冷凍の物は鮮度に問題ないとした場合、生の原料に「鮮度保持剤」が使われていて、その保持剤がある一定の疾患のある方に有害だった場合、最終製品にその保持剤が使われている製品かどうかを表示しなければなりません。

そうした場合、最終製品へ貼付するラベルについてCCPに設定する場合もあると思います。

HACCPでは、こうした化学的危害の混入を防ぐための方法を分析して、受け入れた原料の検査をしたり、工場内で使用される薬剤の管理をしたり、工場内に入る全ての人の持ち物をチェックしたり、工場内で使われる物の材質を調べたりして、安全を確保しています。