05.検査業務について (大腸菌群)

大腸菌群(だいちょうきんぐん)

大腸菌群は、人及びその他の動物の腸管に生息する菌のうち、*グラム陰性、無芽胞桿菌(むがほうかんきん:硬い殻を持たない、形が棒状や円筒状 の細菌)で、48時間以内に乳糖(にゅうとう)を分解して酸とガスを産生する好気性(こうきせい:酸素のある所で正常に生育する細菌)または通性嫌気性(つうせいけんきせい:酸素の有無にかかわらず生育できる細
菌)の細菌群の総称です。

糞便由来菌として位置付けられている菌群ですが、大腸菌群はヒトや動物の糞便とは直接関係の無い自然界にも広く分布していますので、生野菜や貝類などでは大腸菌群を指数にしても衛生的にはあまり意味がなく、主に加熱処理加工を行う食品がこの検査の対象となります。
加工済み食品から大腸菌群の検出は、加熱不足や加熱後の二次汚染など取り扱いの悪さを示しています。

飲料水等では糞便汚染の指標としてとらえられますが、食品においては主に加熱の指標とされています。
・イチゴショートケーキ
イチゴショートケーキの材料は、ケーキとクリームそしてイチゴである。ケーキとクリームは加熱殺菌されているが、イチゴは生鮮物である。イチゴを大腸菌群陰性にするには、洗浄だけではほぼ不可能だと思った方がよい。

カット野菜
原料となるキヤベツやレタスは、市場で売られている状態では農産物であるから、大腸菌群が陽性であっても特に問題とはされない。だが、これを刻んでカット野菜にしたり、コンビニエンスストアで売られている様なカップサラダに加工すれば、加工食品扱いになって、大腸菌群陰性が求められる。

食品衛生工学の広場:食品衛生と微生物より(佐田守弘)引用
*グラム染色(グラムせんしょく)とは、主として細菌類を色素によって染色する方法の一つで、細菌を分類する基準の一つです。

グラム染色によって細菌類は大きく2種類に大別され、染色によって紫色に染まるものをグラム陽性、紫色に染まらず赤く見えるものをグラム陰性といいます。

参考資料:食品衛生検査指針・食品衛生工学の広場