04.削り節工場に於けるHACCPの取り組み・・・(3つの危害分析とは?)

こんにちは、稲葉です。
先月号までは、食品での危害としての「3つの危害」の中から「生物学的危害」と「化学的危害」について、お話してきました。
今月号では、削り節製造会社として、どのような「化学的危害」があるのか、進めていきたいと思います。

削り節に考えられる「化学的危害」
削り節となる原料の「節」は、「天然回遊魚」を漁獲したものを、節加工会社さんで「節」に加工されます。「養殖」の原料を使用していないため、「魚」の時点では「農薬」などの心配はありません。

また、「節」の加工から「削り節」の加工までで、製造工程中に農薬等の使用や残存がない事を確認できれば、「製造段階」での危害はないと考えられます。

ここで、先月号を読み返していただくと、「ヒスタミン」という聞きなれない言葉が出てきていましたね。
この「ヒスタミン」のお話の中で、「ヒスタミン」は「鮮魚」で赤身の魚などで、漁獲後の管理が悪いと…と書いてあります。

削り節の原料の元になる「魚」は、この「ヒスタミン」を産生する可能性があるのです。

「ヒスタミン」の産生に関係している「バクテリア」は、冷凍や加熱で不活化させる事ができますが、一旦「ヒスタミン」ができてしまうと、加熱しても冷凍しても「ヒスタミン」は除去できません。

そのため、この「ヒスタミン」を産生させないためには、漁獲後に速やかに「魚」を冷却し、「バクテリア」を不活化させてしまうことが有効になってきます。
削り節製造会社で、まずできることは、節の製造屋さんを選定すること。(製造屋さんの工程を確認し、適切な冷蔵温度管理施設があること、農薬等の使用がないこと等)

また節の製造会社がどこの港に上がった魚を使っているか、どんな設備の船で「漁」をして、どういう冷却がされる船なのかを知る必要があります。

そこで、管理のできていない船で、獲られた魚を使った「節」を「使わない」必要があります。それを踏まえた上で、原料の入庫の際には、間違いなく安全な原料かどうか、「ヒスタミン検査」の抜き取り検査を行うのが望ましいと思います。
※注…米国では、ヒスタミンの基準が、FDA(米国食品医薬品局)によりガイドラインが出ていますが、小生が確認した限りでは、日本ではヒスタミンに関する基準値は設定されていないようです。