07.新人見原の奮闘記(6)!

2. 原料の準備

2-2 お湯漬け<前回の続き>

削り節の原料の中には鰹節の他にさば、あじ、いわしなどを節にしたものがあります。それらは、鰹節より硬くないため、すぐに水分が浸透します。

よって、鰹節のようにお湯に漬けてしまうと、水分を含みすぎてしまい、削ったときにボテッと重たい花になります。そうすると、その後の乾燥工程に影響が出てしまいますので、水分の調整方法として、お湯漬けの装置(水槽)の中に沈めて、すぐに取り出すというものがあります。

これをドブ漬けと呼んでいます。さらにもっと水分を与える量を少なくしたい場合にはジョーロやホースで水をかけるという方法を用います。

前回紹介できなかったのですが、鰹節には、カビをわざと、表面に付着させて熟成を重ねた本節(枯節)というものがあります。節の中で本節が一番硬いです。本節を二つ持ってたたき合わせると、「カン、カン」と乾いた音がします。

本節は、カビがついていますので、水を掛けながら念入りにブラッシングを行い、カビを落とします。お湯漬けに関しても、硬くて水分が浸透しにくいので荒節(カビのついていない節)のより多くのの時間をかけてお湯漬けします。

お湯漬け時間は、削り節の品質に大きく関わっており、大変重要であるため、熟練の作業者が出来栄えに、常に目を光らせながら管理をしております。

お湯漬けをして、節がやわらかくなったからといって、すぐに加工に入るわけではありません。お湯漬けした原料を一日、もしくは二日、冷蔵庫で寝かせます。

その理由は、お湯漬けの時間だけでは、水分が表面に入るだけで、節の内部には水分が行き届かないので、冷蔵庫で寝かします。

そうすることによって節全体に水分がなじむ時間をとっています。このことを弊社では安生(あんじょう)すると呼んでいます。安生する時間を充分にとることできれいな花をだしています。実際に安生する時間の長いものと、短いものを割って中身を比べてもほとんど変わりは無いのですが、削って花を見てみると、花の大きさも色も違いが出てきます。

次号は、削り節の安全のためには欠かせない工程を紹介します。

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先日、鰹節作りの伝統技能研鑽会に参加してきました。この場では、鰹節作りのベテラン職人の先生が、未経験者、もしくは携わって間もない人に、最初から直接指導してくれます。

生まれて今まで、魚を切ったことが無い私にとって、驚きの連続であったとともに、プロの仕事に感銘を受けました。機会を見て、記事にさせて頂きます。