06.だしのプロがこっそり教える、おいしいだしの取り方

だし原料として和食料理で主に使われるのは、こんぶ・鰹節・煮干・椎茸があります。この4種類のだし原料について、基本的なだしの取り方を紹介してきましたが、今回は一番だし二番だしで使用したかつおぶしの製造方法とだしへの効果について

かつおぶしについて
かつおぶしは現在ではだし原料の代表的なものとなっていますが、かつおぶしがだし材料として使われるようになったのは、江戸時代の初期頃だと言われています。

現在でいう荒節を使用しており、この荒節にカビを付けると、よりいっそう風味が増すことも発見され、明治時代に製法が確立されました。

かつおぶしの製造工程について詳細な説明は別ページに案内していますので簡単に説明しますがかつおぶしが他の食品と異なる特徴的な製造工程として「焙乾」と「かび付け」があります。この2つの工程の目的と効果について、そしてだしの風味への効果についてお話したいと思います。

かつおぶしの製造工程
生のカツオからかつおぶしになるまでに60~80日も手間隙かけられて作られるかつおぶしは、以下のような工程で製造されます。

1.生切り
生または解凍したカツオを頭を落とし、内臓を取り除き、背びれを取り3枚におろす。3Kg以上の大きなサイズはさらに背と腹に分ける場合があります。背側を「雄節(おぶし)」腹側を「雌節(めぶし)」と呼ぶ。

2.かご立て
おろしたカツオを煮かごに並べる。

3.煮熟(しゃじゅく)
80℃前後の湯をはった煮釜に煮かごをいれ、95℃前後で60~90分煮熟する(サイズ・鮮度によって温度・時間はかわる)

4.骨抜き
水をはった水槽の中で身が崩れないように注意しながら骨を取り除いていく。水骨とも呼ばれる。

5.焙乾(ばいかん)
ナラ・クヌギ・サクラなどの堅木を燃やしその熱で乾燥しながら燻していく。最初に行なう焙乾を「一番火」という。こうして出来たものが「まなり節」である。この時なまり節に傷があったり身が欠けてたりしたままにしておくと、欠損した部分から身割れがおきたりするため、すり身を欠損部分に埋め込んで修繕しておく。

その後、一番火と同じように焙乾を繰り返していき、3枚におろした亀節では6~8番火、雄節雌節に分けた本節で10~15番火まで行なわれる。

6.削り
焙乾を終えた節は表面がタールで真っ黒くなっていてこれを「荒節(あらぶし)」または「鬼節(おにぶし)」と呼ばれる。この表面についたタール分を取り除くことにより、かびが付きやすいようにし、過剰な焙乾臭を和らげ、かつおぶしらいし風味にする役目があります。

天日で2日間ほど干した後、かびを拭き取る。この作業を繰り返しながら通常3番、長くても4番までかびを付ける。かび付けをしたものを「枯節(かれぶし)」と呼ぶ。 ?

焙乾の目的について
かつおぶしの製造にあたって節の水分を減少させて、腐りにくくするために昔は日乾が行なわれ、その後わら火による火乾、さらに江戸時代に入って薪による焙乾法が発見されて、乾燥とともに燻すことによる香り付けが行なわれるようになって現在のかつおぶしがあります。

このように焙乾とは乾燥が主な目的で、くん煙処理は付随的なものとなっています。骨抜き(水骨法)し終えた節の水分はかなり高いため、菌の増殖がおきてしまいます。そのため最初の一番火は節の表面の水分を取り除き、表面に付着している細菌を殺菌して菌の増殖を防ぐのが目的となります。