07.新人見原の奮闘記(7)!

2  原料(鰹節)の準備のつづき

2-3 蒸煮
お湯漬けが終わり、冷蔵庫で安生させました原料に、高温の蒸気でもう一回、水分を与えます。この工程を蒸煮といいます。強制圧力釜(レトルト釜)の中で、蒸気を一定時間以上かけ続けます(加熱時間は後ほど説明いたします)。

レトルト釜の中の温度は120℃に達します。釜の中で高温になった鰹節は、とてもやわらかくなり、お湯漬けのときよりも水分がしみこみやすくなりますので、さらに内側に水分をしみこませることができます。

この蒸煮直後のとてもやわらかい状態を利用して鰹節を削る事があります。それは、だし取りに使用される「厚削り・中厚削り」を製造する場合です。(200ミクロン以下のものは薄削り、それ以上のものを厚削りと呼んでいます。)

たとえば、鰹節を厚く削りたいとき、節が硬いままですと、カンナ刃が負けてしまい、花にならなかったり、粉っぽくなります。蒸煮直後のやわらかい状態で削りますと、刃が節から逃げることなく入っていくため、大きく、きれいな花を出すことが出来ます。さらに粉もあまりでません。

薄削りの場合には、蒸煮した直後にに、削ることもありますが、弊社ではたいてい、蒸煮後に一度放冷して、冷蔵庫にて安生して削ることが多いです。これは、節全体に水分を十分に行き渡らせるためです。このことで節の中心まできれいに削ることができます。

(メーカー様への削り原料が主力の為、この方法になります。)

レトルト釜の中を高温に保つことで、原料の殺菌にもつながっています。
以前は鰹節などの削り節の原料を殺菌してから削るという考え方はありませんでした。これは、原料となる節そのものは清潔であり、節の表面にだけ製造や移動のときに、菌がついてしまうことがありますが、それさえもだしを取っているときの熱湯で殺菌されるだろうと考えられていました。

しかし、食品の安全が重要視されるようになり、殺菌された節を削ることが求められるようになりました。弊社では、お客様の用途、要望に応じて、レトルト釜にて殺菌された原料を使用しております。

加熱時間は、弊社の経験によって管理されています。鰹節はレトルト釜にて加熱しすぎると、削り節が黒ずんでしまい、さらにその削り節でとっただし汁も黒ずんでしまいますし、うまみも逃げていきます。よって、殺菌のためとはいえ、加熱しすぎるわけにはいきません。

十分に殺菌することができて、削り節の品質を保つことができる、レトルト釜の加熱時間に弊社の経験が詰まっています。
節の状態によってお湯漬けや蒸煮の時間は変わりますので、弊社の熟練の従業員が原料の準備する工程を管理しています。