05.セレウス菌

検査室では、こんな微生物も調べています。

セレウス菌
セレウス菌は土壌(どじょう)や河川水などの自然界に広く分布している土壌菌の一種です。好気的(空気の多いところ)にも嫌気的(空気の少ないところ)にも増殖が可能な為、極めて増殖能力が旺盛(おうせい)です。

セレウス菌は芽胞(がほう)と呼ばれる状態で存在していることが多いため、熱に強く、100℃で40分加熱しても死滅しませんから、調理過程で菌を死滅させることは困難です。

しかし、セレウス菌が付着した食品を食べると、必ずしも食中毒が起こるわけではなく本菌が原因食品の中に100万個/g以上という大量の菌がいる場合に起こる食中毒です。芽胞菌(がほうきん)栄養や温度など悪い環境状態に置かれると、芽胞を作る能力を持った菌の細胞内部に芽胞が形成されます。

芽胞は極めて高い耐久性を持っていて、環境がさらに悪化して通常の菌が死滅される環境でも生き残ることができます。しかし、芽胞の状態では細菌は新たに分裂することはできませんが、再びその菌の増殖に適した環境に置かれると、芽胞は発芽して増殖をする事ができます。

セレウス菌による食中毒
嘔吐型と下痢型の2通りの症状があります。

嘔吐型・・・穀類を主とした食品が原因となります。食品中で菌が増殖し、嘔吐毒が産生された食品を人が食べると、1~5時間の潜伏期間の後発症します。悪心・嘔吐が主症状として現れ、全般的に軽症でありほとんど1両日で回復します。

下痢型・・・食肉製品やスープ、バニラソースなどが原因食品となります。
食品中に混在する菌が腸管内で増殖し、下痢原性毒素(エンテロトキシン)を産生し、8~16時間の潜伏期間の後発症します。腹痛・下痢が主症状として現れ、全般的に軽症でありほとんど1両日で回復します。

予防するには
セレウス菌は、加熱調理後にもその一部が生残し増殖するので、調理済み食品は保存しないということに徹するのが一番です。我が国に多い、米飯類を原因食品とする嘔吐型のセレウス菌食中毒の予防として次のことに注意しましょう。

・食材は常に新鮮なものを選ぶ。
・調理の際は十分に加熱する。
・調理した食品は、できるかぎり保存せず、早めに食べる。
・冷蔵庫に保存したことで安心しない。大量につくった焼飯やスパゲッティーなどを、翌日再調理することは避ける。
・常温で放置しない。

以上です。

参考資料 :厚生省生活衛生局監修:食中毒予防必携、日本食品衛生協会、東京、1998・食品衛生検査指針