05.ウェルシュ菌

人や動物の腸管、土壌、海水など自然界に広く分布しています。この菌は元来「ガス壊疽菌(えそきん)」として恐れられていました。この菌は嫌気性(酸素を好まない) の芽胞菌で、なかには芽胞が100℃4時間以上の加熱でも死滅しない菌もいます。

食品を大釜などで大量に加熱調理すると、食品の中心部は酸素の無い状態になり、嫌気性菌のウェルシュ菌にとって好ましい状態になり、食品の温度が発育に適した温度(50℃~55℃)まで下がると発芽して急速に増殖を始めます。

食品の中で大量に増殖したウェルシュ菌が食べ物とともに胃を通過し、小腸内で増殖して、菌が芽胞型に移行する際にエンテロトキシン(毒素)が産生され、その毒素の作用で下痢などの症状が起きます。

発生原因施設は、他の食中毒と同様に飲食店、仕出し屋、および旅館などで、提供される複合食品によるものが多く。また、学校などの集団給食施設による事例も比較的多くみられ、給食におけるカレー、シチュー、スープ、麺つゆなどのように、食べる日の前日に大量に加熱調理され、大きな器のまま室温で放冷されていた食品等に多く見られます。

また、この食中毒は一度に大量の食事を調理した給食施設などで多く発生することから“給食病”の異名もあります。
「加熱済みの食品は絶対安心」という誤った常識がウェルシュ菌による食中毒の発生原因となっています。

潜伏時間は約4時間から12時間。腹痛、下痢が主で、特に下腹部がはることが多く、一般に症状は軽微です。
予防としては前日調理は避け、加熱調理したものはなるべく早く食べること。 一度に大量の食品を加熱調理したときは、本菌の発育しやすい45℃前後の温度を長く保たないように注意すること。 やむをえず保管する時は、小分けしてから急激に冷却(15℃以下に)すること。再加熱するときは、中心温度が75℃、1分以上を徹底すること。

第三の生物・・・古細菌
火山などの高温環境で生育する微生物が発見され、100度近い温度でも生きていることがわかってきました。このような微生物は超好熱菌と名付けられました。バクテリアに似ているのですが、研究の結果、バクテリアとはまったく違う生物であることがわかりました。

それまで、生物は真核生物と原核生物に分けられていましたが、超好熱菌はどちらとも違いました。第三の生物として古細菌と名付けられました。古細菌は現在名前が変わって、始原菌と呼ばれています。いままで知られていたバクテリア(細菌)は、古細菌に対して真正細菌と呼ばれます。Dr.yamamoto,s 菌の話より引用

参考資料 感染症の話
国立感染症研究所感染症情報センター