07.新人見原の奮闘記!

《前号からの続き》

何とか、先生の助言をいただいて頭を落とすことが出来ました。しかし、切り口はギザギザで曲がってしまいました。そこで、鰹の‘へぞ’を取り出します。‘へそ’というのは、鰹の心臓のことで人間にあるへそとは違います。私の住む焼津市ではかな
り知名度のある食材です。

主に、フライにしたり煮物にしたりして食べています。レバーのような感覚で好きな人は好きという珍味です。呼び名は焼津特有だと聞いています。

他の生徒は次のステップに進みますが、一つでもコツをつかもうと思った私は、頭を落とす所を重点的に教えてもらいました。生切りの工程は、まだまだ続きますが、本紙の『かつお節の作り方』をご覧頂くと詳しいことがわかります。

刃物を取り扱う緊張感で少し疲れましたが、かつお節づくりは次の工程<煮熟>に進みます。煮熟は熱湯を張った釜で煮る作業です。三枚のおろされた鰹の身は赤色から薄い茶色になります。

次に、<骨抜き>の作業をしました。水槽の中で骨をとることから水骨抜きと呼ばれています。この工程でも、先生の仕事と、生徒の仕事では大きな差が出ます。先生のおろした鰹には、決まったところにしか骨が残っていませんが、生徒がおろしたほうは、表面に骨が残っていたり、形がくずれてしまっています。

作業のほうも「赤ちゃんを抱くように優しく」もちながらピンセットで骨を抜くのですが、力の加減がわからず、形が崩れてしまいました。先生は、教えていただいた通りやさしくもち、骨をてきぱきとぬいていきます。技というのは毎日の繰り返しが必要であると改めて感じました。

骨抜きをした後、蒸気で殺菌します。次の作業は<修繕>です。修繕は骨抜きの時などに崩れてしまったり、ひびが入ってしまったところに、鰹をおろしたときに骨に付いていた生身をすり身を使って修復する作業です。本枯節製造ならではの工程だそうです。

へらにすり身をつけ、鰹の表面の凸凹したところに塗っていきます。そうするとすり身が接着剤の役割をして、鰹節なったときに凸凹が目立たなくなるとのことでした。この作業はこれまでの作業を違い、とまどい無くできました。

塗りこんだすり身を固定するためもう一度蒸気をあてます。そして、手火山という設備で乾燥させました。これはクヌギやナラの薪を使用した昔ながらの製法です。
ここまでが研鑽会の一日です。ここからカビつけ、天日干しを繰り返し、本枯節になります。

日ごろ、生の魚を触ることの無い私にとって、とても貴重な体験が出来ました。私も先生方のような職人になれるように毎日精進してまいります。