02.鰹のセリについて

ここ二か月間、鰹の相場の高騰のお話をお伝えいたしました。戻りましてセリのお話しをさせて頂きます。焼津の港では朝7時にセリが始まります。

セリに参加する人達は、以前説明しました①鰹の魚質(脂の乗り具合)を確認しながら、同時に②セリにかけられる船の漁獲量と、③1~2週間の見通し④1~2ヶ月程度の見通しを考えながら参加いたします。

①鰹の魚質(脂)について
鰹節業者だけの話になりますが、鰹に脂が有りますと、煮た後に骨を肉から抜き取る工程があるのですが、この際に身がボロボロと崩れて鰹節にならず、折れた製品になり歩留まりが悪くなります。

この時、焼津では水槽の中で鰹を水の中で浮かせてやるのですが、脂が水槽の周りについて作業が行いにくいです。また乾燥(燻煙:くんえん)工程という鰹を燻す工程で、乾燥させるのに脂が多いと乾燥しにくく強く乾燥させますと、焦臭(こげしゅう)がします(この場合は香りが良いというニュアンスでなく、強く匂いが付きすぎて、よろしくないという表現です)。

また完成した時にあまりにも脂が多いと脂独特の臭いを発する場合もあり、削り節業者は購入を控えます。今度は削り節業者の話ですが、購入した鰹節が脂の多い物になりますと、削った時に花が上手に出来なかったり、粉の部分が多くなり歩留まりが下がります。

ですから通常の鰹節よりは安く購入する傾向になります。よって鰹節業者にとっても削り節業者にとっても脂の鰹は使用しにくく、相場としては下げ相場の流れになります。魚場で魚が取れ始めたという連絡がありますと、同じ海域に船が集まり始めます。

よってセリが行われる間の魚というのは、おおむね魚場が同じか近い事が多く、ある一定期間は魚の魚質が同じになります。

②船の漁獲量について
船の漁獲量の明細はセリの前に判るのですが、おおざっぱです。鰹と鮪は一緒に泳ぐ事が多いのですが、1つの群れの量や、例えば前回説明しました、「『4.5kg以上の鰹』が鰹の群れの中にどれ位いるか?」などの正確な数量は実際の所は誰にもわかりません。

一回の漁は網が全長2000メートルもあり、10トンの時もあれば100トンの時もあります。その中で正確な数字を把握する方が無理かもしれません。セリが終了後に魚を水揚げしますが、この時にサイズ分けを行いますので、セリで購入した物が実際は船からでてこないという状況が発生しますし、明細以上に出過ぎる場合もあります。